2011年10月25日

カンチェリの「無意味な戦争」日本初演![国立モスクワ合唱団]

ウラディーミル・ミーニン指揮するロシア最高の合唱団
国立モスクワ合唱団間もなく来日!

 ロシア合唱界の重鎮、ウラディーミル・ミーニン率いる国立モスクワ合唱団が11月に来日します。この合唱団は非常にレベルの高いソリスト・クラスのメンバーからなる混声合唱団で古典から現代までのクラシック作品を主なレパートリーとしています。

今回は、グルジアを代表する著名な作曲家、ギヤ・カンチェリの注目すべき作品、「無意味な戦争(アマオ・オミ)」 (混声合唱とサクソフォン四重奏のための作品。2005年。)が日本初演されます。作曲家の吉松隆さんによれば、カンチェリは「現代的な響きの中にも“心打つメロディ”が忍び込む絶妙のバランスを持っている」作曲家です。
 「アマオ・オミ」は、静かなハーモニーをつむいでゆく美しい曲で、平和を願う心に胸を打たれます。歴史の中で度々辛酸をなめさせられてきたグルジアという国が生んだ傑作で、CD化もされています(輸入盤)。
(下記の解説をご参照下さい)

 ラフマニノフの宗教曲を代表する名曲「晩祷」 (抜粋)は、彼の最高傑作という人もいるくらいの名作でありながら、ソヴィエト時代に宗教が弾圧されたために演奏されず、長い間、幻の名曲として忘れ去られていた作品です。作曲家自身がこの曲を非常に気に入っていて、自分が死んだら葬儀でこの中の1曲を流して欲しいと生前語っていたそうです。

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「アマオ・オミ」解説

静かなる告白
 
ギヤ・カンチェリは、今までにない、まったく新しい音の響きを生みだす人ではない。むしろ、いわば進歩の中で顧みられず置き去りにされてきたもの、――童謡のメロディー、様々なタイプの舞踏曲、様々な音階、ごく些細なモティーフ、様々な音程、シグナルのような響きの断片など――これらのほぼすべてが、なぜか、既知のもののように、すでに幾度も聞いているもののように思えて来る。それらが、カンチェリの記憶のフィルターを通して、今という時間の中へしたたり落ちる様は、カンチェリならではの独特なものであり、これまでに例のないものである。
  西側から見ると、グルジアは不思議な国だ。ヨーロッパの辺境なのか、それともカフカス山脈のふもとのアジアのはずれの地なのか?いずれにしても、破壊される前のトビリシ市内の河畔のプロムナードには、パリのセーヌ河畔にも匹敵する都会的で洗練された雰囲気があった。人は、グルジアというと、今なお古代的な国というイメージを抱くと同時に、神秘的な力を秘めた国を思い浮かべる。
ギア・カンチェリは、1935年に生まれ、当然のことながら、グルジアとその(キリスト教)文化の刻印を受けている。彼は、以前から、東での生活と西での生活を交互に繰り返しており(現在はアントワープで暮らしている)、故郷は、いわば彼の心の中に生きている。そして遠く離れているがゆえに、故郷グルジアについて思い描くことが、リアリティーを増していく。カンチェリの音楽を聴く人たちもまた、隠れた内なるグルジアを体験することになるのだと言えよう。歴史の中で度々辛酸をなめさせられ、被占領国となったこの国は、私たち皆に関わりのある“損なわれた人生”の隠喩となる。

 《アマオ・オミAmao Omi》は、グルジア語で“無意味な戦争”という意味である。歌詞に使われているのは、グルジアの自然や風景、文化や伝統に関する単語だが、カンチェリは、明らかに、歌詞の意味が分かることに重きを置いていない。なぜなら、彼は、音楽の中の言葉は音楽とともに“より高い別次元で理解される”と確信しているからである。この混声合唱とサクソフォン四重奏による作品は、ギリシャ正教の僧侶たちの歌によって方向づけられながら音楽の川となって流れていく。タイトルに示されている主題が、この作品を――ベートーヴェンの《ミサ・ソレムニス》の“我らに平安を与えたまえ”のように――“内と外の平和への願い”として受け取るよう促す。音楽は静かに進行し続けてゆくもかかわらず、合唱は、しばしば、急激に、ダイナミックにクレッシェンド(大きくなる)する箇所があり、切羽詰まったような、懇願するような、かたくなに主張するようなものとなり、聴き手に恐れを抱かせ、パニックに陥らせる。サクソフォンの四重奏が非常に遠慮がちに歌を“縁取る”。決してけたたましく響くことはなく、歌手の穏やかな歌唱を控え目に補うような感じを与える。

 カンチェリにおいては、何とすべてが繊細な神経、こまやかな聴覚を指向していることか。世の中で常識となっているような大音響に対して、静かで、ほとんど聞こえないものを提供すること、また、刹那的な激しさに対して、ゆっくりと永続するものを発見することにこそ、音楽の持つ非常にアクチュアルな意味があるのだと言っているようである。(CD Kancheli/Little Imber : ECMレーベルのライナー・ノートからの抄訳。訳:岩下久美子)



moscow_flyer.jpg≪国立モスクワ合唱団≫
2011年11月17日(木)19時開演 東京オペラシティコンサートホール
曲目:
スヴィリードフ:合唱のためのコンチェルトより「哀歌」(3月の東日本大震災犠牲者に捧ぐ)
S.ラフマニノフ: 無伴奏合唱によるミサ曲「晩祷」抜粋
ギア・カンチェリ:アマオ・オミ−無意味な戦争 日本初演!
ロシア民謡

2011年11月23日(水・祝)14時開演 東京オペラシティコンサートホール
曲目:
スヴィリードフ: 合唱のためのコンツェルトより、「哀歌」
ロシア民謡
ウクライナ民謡
ボロディン:歌劇「イーゴリ公」から、合唱「歌の翼に乗って飛び行け」


詳しい公演の情報こちら



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2011年10月19日

モスクワ合唱団「ロシアNOW」に掲載されました。

2011年10月18日号『ロシアNOW』
カルチャーカレンダーにモスクワ合唱団の公演情報が紹介されました。
http://roshianow.jp/

デジタル版はこちらからご覧になれます。
posted by JapanArts at 11:31 | 国立モスクワ合唱団 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月18日

モスクワ合唱団:芸術監督・指揮のミーニンと北川翔(バラライカ奏者)のメッセージ

何世紀も受け継がれてきた日本文化の伝統に対する、感嘆と深い尊敬の気持ちを抱いて、私たちはステージに立ちます。
そして厳しい局面に屈せず立ち向かう皆さんの強さに、心よりの敬意を表したいと思います。

愛を込めて
Мinin3.jpg
ウラジーミル・ミーニン


ロシアの民族楽器バラライカは、19世紀後半まで「農民の為の幼稚な楽器」として扱われていましたが、バラライカの父と呼ばれているV.アンドレーエフの多大な功績により、「農民の楽器」から「舞台芸術楽器」として認められていきました。
日本ではまだまだ無名なバラライカですが、本日はこの伝統あるモスクワ合唱団と偉大な指揮者ウラジーミル・ミーニン氏と共演できる喜びは言葉になりません。
ロシアを代表する合唱団と、日本人バラライカ奏者、そして音楽を愛する者同士の国境を越えた共演をお楽しみいただければ幸いです。
kitagawa1.jpg
北川翔



moscow_flyer.jpg≪国立モスクワ合唱団≫
2011年11月17日(木)19時開演 東京オペラシティコンサートホール
曲目:
スヴィリードフ:合唱のためのコンチェルトより「哀歌」(3月の東日本大震災犠牲者に捧ぐ)
S.ラフマニノフ: 無伴奏合唱によるミサ曲「晩祷」抜粋
ギア・カンチェリ:アマオ・オミ−無意味な戦争 日本初演!
ロシア民謡

2011年11月23日(水・祝)14時開演 東京オペラシティコンサートホール
曲目:
スヴィリードフ: 合唱のためのコンツェルトより、「哀歌」
ロシア民謡
ウクライナ民謡
ボロディン:歌劇「イーゴリ公」から、合唱「歌の翼に乗って飛び行け」


詳しい公演の情報こちら

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